『夢で逢えたら』を教えてくれた子
義務教育中、役職名で呼ばれる事の多い子供でした。
学級委員や、委員会の三役、生徒会。
率先してやりたいわけでもなかったのですが、
何がしかの任命状を持って帰らないと、
母がひどく不機嫌になったので、
そういった類は、やって当然な感じになっていました。
通信簿のコメント欄に、協調性に欠ける的な事を良く書かれ、
人気者でもリーダーシップの持ち主でもなかった私。
ですが、おかしなもので、幾ら本来の自分と違っていても、
数をこなすと役に合ったキャラというのが作られていくようで、
当時、それなりに❝委員長❞をしていたのです。
「あんた『夢で逢えたら』好きだと思うよ」
ある日の音楽の授業中、隣席の男子が急に話し掛けてきました。
ズボンの下にもも引きを履けば、
揶揄われたのがその頃の小学生男子ですが、
彼は、寒いからこれがいいんだ、と我が道を行くタイプ。
何にしてもいつもにやついて、まともに取り合わないので、
一部のクラスメイトからは、あれこれ言われもしている子でした。
何それと聞き返すと、土曜の夜中にやっている番組だとのこと。
それまで土曜の11時から、
『ねるとん紅鯨団』のビデオ予約はしていたのですが、
妙に気になり、その週から30分延長してみることにしました。
これ、すっごい面白い!
「本官は小悪魔にょろよ~」
「みとぅおくぅ~ん」
「がんばれ~卍丸~」
自分が好きなキャラのコントがあるのか楽しみで、
毎週、濃い30分はあっと言う間でした。
そう言えば「許せない~奴がいる~」って
松本と南原がメキシコっぽい装いでギターかきならしながら
首を振ってた元ネタの歌があるのは、だいぶ後で知りました。
ドリフもひょうきん族もみていたし、
お笑いが大好きだけれど、学校で言ったことはありませんでした。
そればかりか、ほとんど話したことすらない❝委員長❞の私に、
彼がなぜ番組の事を教えてくれたのかは、いまだに謎です。
『働く男』ユニコーン
『BELIEVE IN LOVE』LINDBERG
どちらも見始めてからしばらく経った、
中学生時代の番組オープニング曲ですね。
バンドブームの頃で、人気ありましたねぇ。