『おひめさまえほん』の輝きと本を読むこと
コアックスケレレックス
なんだと思いますか、これ。
正解は、子供の頃持っていた
高橋真琴『おひめさまえほん』の
『おやゆびひめ』でのカエルの鳴き声です。
まあまあ面倒な子供だったので、
両親も気苦労が絶えなかったと思うんですよ。
休日、何か面白くない事があり
出掛けないと駄々をこね部屋に閉じこもった私 。
帰宅した父が、車のエンジンを切らずに
2階に上がってくる音がして、早く来なさい、
と半ば無理矢理連れ出された先は、本屋でした。
「どれでも好きな本を一つ買っていい」
父に急かされつつ、悩んだ結果、
選んだのが『おひめさまえほん』でした。
セットですが、まとめて素敵な紙箱に入っていたので
一つでしょと。
つくづく可愛げがありません。
シンデレラ = ピンク
しらゆきひめ = 緑
おやゆびひめ = 黄色
にんぎょひめ = 水色
ねむりひめ = 紫色
確かそれぞれ、このテーマカラーで描かれた、
5冊セットは、とても綺麗な絵本でした。
キラキラした星の輝く大きな目、
レースや宝石の散りばめられた美しいドレス。
高橋真琴の繊細な絵と、独特な文は、
母曰く「臍が背中についている子」の私でさえも、
うっとりさせるものでした。
画才がないので、なるべく薄い紙を使い、
何度も写し絵したのを覚えています。
昔に比べれば、若干ましにはなったものの、
いまだに私は厄介な人間です。
そして相変わらず、読むことで救われています。
嫌な事があったり、悲しくなった時、
自然と本屋に足が向き「何か、何か」を探したり。
本を手に取り、自分の中を活字で埋めようとしたり。
三つ子の魂百までと言うやつですかね。