落語で知る江戸っ子の楽しみ(2019年4月16日新宿)と『しゃべれどもしゃべれども』
4月16日に新宿の朝日カルチャーセンターで行われた、
柳家三三師匠の落語で知る江戸っ子の楽しみ
という落語会に行って来ました。
いいタイミングでBSで放送された師匠落語監修の、
映画『しゃべれどもしゃべれども』も観ました。
カルチャーセンターでの落語会
高座は教卓、生声の落語
以前の記事でも書いたのですが、
この会は、カルチャーセンターの教室が会場です。
高座、すなわち噺家さんの舞台は、
なんと教卓の上です。
そちらに緋毛氈を掛けて座布団を載せている。
子供の頃、教室で男子が先生に、
「机に座るんじゃない!」
なんて怒られるのを良く耳にしたものですが…
約80名程度、普段なら皆さん何か学ばれている、
テーブルと椅子が客席、
全席自由なので早い者勝ちです。
数年前、初めて参加した際は、
私もノートや筆記用具を用意して行きましたが、
講義ではありません。
・1時間半、前座なし
・噺を2、3席堪能
・マイクを通さず師匠の生声で落語
そんな落語会なので、私はかなりお気に入りです。
今回の演目、待ってましたの『金明竹』
今回の演目はこちらです。
ちなみにこちら、毎回、三三師匠直筆です。
(落語ファンになってから数年と日の浅い私が、
あれこれ言ってるだけなので、
お詳しい方、生温かい目でお読み下さい、
と最初に言い訳をしておきます。)
私が三三師匠を好きな理由の一つに、
❝立て板に水を流すがごとく❞
といった表現がぴったりの
たいへん流暢な言葉捌きがありまして。
それがいかんなく発揮されるのが、
やはり、言葉数の多い台詞が多用される演目
だと思っているんですね。
例えば、落語に興味の無い方でもご存知の、
『寿限無』みたいな感じの噺です。
あの「じゅげむじゅげむ~」を、
すさまじい速さでビシッと決めると、
おー!となりますよね。
2席目の『金明竹(きんめいちく)』は、
まさにそういった噺なんです。
始まってすぐ気が付き、
心の中で「待ってました!」
と掛け声あげてました(笑)
『しゃべれどもしゃべれども』
20年近く前に読んだ小説
20年近く前、
佐藤多佳子の爽やかな文体がいいなと感じ、
数冊読んだ記憶があり、その中の1冊が、
丁度最近、BSで放送された
映画『しゃべれどもしゃべれども』の原作小説でした。
俺は今昔亭三つ葉。当年二十六。
三度のメシより落語が好きで、
噺家になったはいいが、
未だ前座よりちょい上の二ッ目。
自慢じゃないが、頑固でめっぽう気が短い。
女の気持ちにゃとんと疎い。
そんな俺に、落語指南を頼む物好きが現われた。
だけどこれが困りもんばっかりで……
(新潮社書籍詳細より)
小説を読んだ当時、全く興味の無かった落語ですが、
映画を観てみたところ、
色々わかるようになった事も多く、
読み直してみようと、本を引っ張り出してきました。
映画『しゃべれどもしゃべれども』(2007年)
映画の主なキャストは、
・ヒロイン 十河五月 =香里奈
・主人公の祖母 外山春子 =八千草薫
松重豊も出ています。
原作とは設定など、色々違うようですが、
まぁ、それはそれとして、
面白い作品だなと思いました。
特に、八千草薫のとってもチャーミングな
『まんじゅうこわい』は、必見です。
柳家三三師匠が落語監修
この作品、三三師匠が落語監修・指導をしています。
三三師匠好きな私は、
主人公たちの演じる落語に、
師匠の雰囲気を探しながら観てしまいました。
一場面だけ、御本人が出演されていました。
主人公が自分の師匠の高座を観て勉強しようと、
新宿末廣亭へ向かうのですが、
その入り口で、
やたら滑舌良く、
きれっきれの台詞回しで声を掛ける、
寄席の従業員
それが三三師匠です。