訛りに気付かされた日
お笑い芸人の、カミナリを知らない人に、
どんな感じなのかと問われたので、
「ガラの悪いU字工事」と答えました。
後日テレビでみて、あの例えですぐわかったと喜ばれました。
訛りの目覚め
U字工事とカミナリ
厳密にいえば
U字工事=栃木で、カミナリ=茨城。
関東なのに、東北扱いのこの2県の方言は、
他県出身者からすると、同じ様に聞こえてしまいます。
西の訛りと北の訛り
かく言う私は、東北地方の出身。
西の地方出身者は、
どことなくからりとしたイメージの方言を
臆することなく使います。
対して、湿度の高い北の出の者、
なかなかそうはいきません。
こちらは長い事すり込まれた、
❝ダサい❞という感覚から、
なるべく早く方言から脱しようと苦心します。
横浜からの転校生
中学生の時、横浜から男の子が転校して来ました。
この頃『月曜から夜更かし』でも観ていれば、
マツコに倣って❝横浜❞をネタにするところでしょうが、
話は30年近く前の事、
目茶苦茶都会から来たという認識で迎えた転校生でした。
休み時間、数名で彼の周りに集まり、
なんの気なしに、こちらに来てどうか尋ねたところ、
「語尾が変わってて、訛りにびっくりした」
と笑われ、私たちは目を丸くしました。
それまで、意識せずいたイントネーション、
皆同じなので、特に気にはならなかったのですよね。
尚且つ、若い私たちは多分どこかで思っていたんです、
年配の人は、きついけど、
自分たちはそんなに訛っていないと。
脱訛りの目覚め
その時一緒にいた、女子数名は目覚めました。
「訛りを直そう」
彼に憧れたからではありません。
単に私たちは訛っているのだと共通認識を持ったからです。
特に転校生に指摘された語尾。
口を突いて出たらお互いに、
「言ったよ」と注意し合い、
そこから脱訛りに励みました。
目覚めが早かったお陰か、
地元を離れてから、その県出身者である事を告げると、
全然訛って無いねと驚かれる事が多かったです。
引け目からネタに
既に地元から離れ、年齢の半分以上の年月が過ぎました。
東北出身者である事は、
今となっては、どうでもいい事だったりします。
むしろ私の地方では、これは〇〇って言いますよ、
とか、お国訛りで喋ってみせて❝バイリンガル❞、
なんてちょっとしたネタになる位なんですが、
若い内はなかなかそうもいかないものですねぇ。