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【年末年始一気読み】人文系学問好きにおすすめ『百鬼夜行(京極堂)シリーズ』

百鬼夜行シリーズ』(京極夏彦

以前も書いたのですが、私の大好きな作品です。

現在までに長編9作連作短編集5作が出ています。

 

完結はしていません、続きを10年以上待っております。

ただ各作品それぞれは、きちんと終わっていますので、

気にせず読めるかと思います。

あれこれ繋がり、にやにや出来るので、

できるだけ刊行順に読むことをおすすめします。

 

1.内容

第二次大戦中~戦後、昭和20年代の日本が舞台となっています。

妖怪に纏わる複雑怪奇な事件を、

宮司で拝み屋の古書店主「京極堂」こと中禅寺秋彦が、

憑き物落とし」で解決するミステリーです。

2.おすすめポイント

 ・豊富な人文系知識

謎解きや犯人探しも勿論面白いのですが、

そこに至るまでの薀蓄が堪りません。

歴史・民俗・論理・宗教・心理・哲学など、

人文系の学問に興味のある方はきっとハマると思います。

・個性的なキャラクター

主人公、京極堂の周囲には、

心の病を抱えた作家関口巽

天上天下唯我独尊探偵榎木津礼二郎

粗暴な外見に繊細な心を持つ刑事木場修太郎……

なんとも魅力的な人物たちが集まります。  

・事件の解決「憑き物落とし」とは

事件の解決と言うより、

関係者たちに絡まり、身動き出来なくしている糸を、

一つ一つ解きほぐし、止まっていた時を進め、

世界を壊し、終わらせる作業です。

この世には不思議なことなど何もないのだよ

京極堂の口癖の意味を是非、噛み締めて下さい。

3.作品リスト

※既刊年月の後の数字は講談社文庫版の頁数です

《長編》9作品

 

姑獲鳥の夏    

(1994.04)   621

魍魎の匣     

(1995.01)   1048

狂骨の夢     

(1995.05)   969

鉄鼠の檻     

(1996.01)   1341

絡新婦の理    

(1996.11)   1374

塗仏の宴 宴の支度

(1998.03)   965

塗仏の宴 宴の始末

(1998.09)   1053

陰摩羅鬼の瑕   

(2003.08)   1203

邪魅の雫     

(2006.09)   1311

《連作短編集》5作品

百鬼夜行 陰   

(1999.07) 604

百鬼徒然袋 雨  

(1999.11)   732

今昔続百鬼 雲  

(2001.01)   749

百鬼徒然袋 風  

(2004.07)  825 

百鬼夜行 陽   

(2012.03)   593 ※文藝春秋新書版

年末年始、予定は特に立てず、

自分の時間をたっぷりお持ちの方も多いかと思います。

いつもなら手を出すのに躊躇する、

このシリーズを読破したら、

仮に内容にご満足頂けなくとも(そんな事はないと良いのですが)

分厚いので、達成感が半端ないですよ(笑)