教卓が高座 落語で知る江戸っ子の楽しみ(2019年5月30日新宿)
このブログでは何度も書いているのですが、
カルチャーセンターでも落語会は開かれております。
私が大好きな柳家三三師匠が長年続けておられる、
『落語で知る江戸っ子の楽しみ』という会に行って来ました。
教室で落語会
5月30日に行った、
新宿の朝日カルチャーセンターで開かれている
『落語で知る江戸っ子の楽しみ』という、
講座で、高座な落語会。
当ブログで既に3度目のご紹介になるんですが、
私、大好きなんですよね。
教卓に緋毛氈掛けて、座布団を乗せた高座。
80人位の❝受講生❞とされる観客の前で、
❝講師❞である柳家三三師匠が、
落語を2、3席、
しかも生声で聞ける贅沢な会。
平日の昼なので、毎回は難しいものの、
行けそうな時は必ず足を運んで大満足してくる会です。
今回の演目
こちら、三三師匠のお手による、今回の演目です。
寄席の裏話
寄席の楽屋も入れかわり立ちかわり
今回、マクラで寄席の裏話をして下さったのが興味深かったです。
寄席は次々20人程度の芸人さんがお出になるので、
皆さんが楽屋に揃って待っている、
なんてことはないそうなんですね。
大体ご自身の出番の時間を計算され、
楽屋入りをされるので、
私たちの観ている舞台と一緒で、
そちらも入れかわり立ちかわりと言った感じなんだそう。
噺家さんならではの確認方法
でも時折、出番がきて、
座布団の上に座っても、
自分のすぐ後に出られる筈の方が、
お見えでない場合があるそうなんです。
そうなると、時間配分を変えて、
噺を延ばさなければいけないかも知れない。
そこで、噺の途中で、
次の方が来たか確認する為の手段があるとのこと。
それは、舞台袖に向かって羽織を投げるんだそうです。
羽織の使い道
噺家さんには、階級制度があり、
前座→二つ目→真打(=師匠)
となるわけですが、羽織を着てもいいのは二つ目さんから。
羽織を着て出て来て座布団にお座りになり、
大概、マクラと言って、
落語本編に入る前の導入部分を話し終え、
噺自体に入る時、
羽織を脱がれる事が多いんです。
すると、
「お、いよいよここから始まるんだな」
と観客側の気持ちも切り替わりやすくなります。
又、本編に入ってから、
場面転換の為など、
小道具的に扱って脱がれる場合もあります。
(例えば、雨が降る中、ようやく家に帰ってきて、
散々だったと言いながらとか)
先ほどの話に戻ると、
次の出番の方の到着を確かめる為、
観客に不自然さを感じさせないようにしつつ、
話しながら羽織を脱ぎ、舞台袖に投げる。
ちなみに、
その羽織がすぅーっと引かれて無くなると
次の方が到着したんだな、
と安心出来るそうです。
これを聞いて、
噺家さんてつくづく、凄いなぁという思いが
更に強くなりました。
・落語で様々な人物を演じ分け
・観客の反応を見ながらくすぐり(小ネタ)を入れる
・次の出番との兼ね合いも気にする
それを同時に行っているんですよ。
本当に賢い方しか出来ないことだなぁと
再確認させられたお話でした。
また、今回は、
予定より10分少々延長してしまったのも、
師匠ファンからすれば、嬉しく得した気分でした。